森林インストラクターの豊島さんの話。
「日本では虹は7色だけれど、国によっては5色だったり
3色だったりするんですよ。何故だと思います?
それはね、色を現す言葉がないからなんですよ。
樹の名前を知らなければ、ただの木。みんな同じ緑色にしか
見えないんですよ。」
そうか・・・私は海の側で育った。だから海の色が季節によって、
穏やかな青色だったり、鮮やかな青色だったり、子供の頃から「青色」を
使い分けていた。
その反面、山に関しては、まわりは1年中色の変わらない松の木だった
から山の季節の変化に対しては疎い。
だから、旅行で信州の春の山を見たとき、何色にも変化する「緑色」に
感動した。
けれど、今回の山歩きで季節の色の変化のない山を見た。
荒れ果てた人工林。
写真を見て欲しい。
半分は手入れのされた山。光が差して山が暖かい。
けれど、半分は戦後人工林として杉が植えられ、その後人の手が
入らなくて木の下には何も育たず、花の色もなければ、小鳥の餌になる
実のなる木もないから鳥さえ住めない静まり返った森。
沈黙の森。
今回の山歩きで、たくさんの春の色にあふれた山と、季節の来ない
沈黙の山を見た。この、二つの山が細い山道を隔てて並んでいる。
自然は人間が育てていかなければ残っていかない・・・・
帰り道に初めて見た可愛い花。紅葉苺の花。
この花を、残していくのも私たちの努力。