本日は元気埼玉企画、前進座の「たいこどんどん」を20名の仲間と観劇。
作は井上ひさしさん、音楽はいずみたくさん。
出演は河原崎国太郎さん、松山政路さん、藤川矢之輔さん。
叔父と甥の、息のぴったりと合った演技は見ていて心落ち着く。
幇間役の桃八と、薬種問屋の放蕩息子の清之助が、あるきっかけで
江戸を後にする。
恋しい江戸に帰ろうとすればするほど、次々に事件に巻き込まれて
どんどん遠くなっていく。
幕が上がってまず驚く。
いきなり和製ミュージカルのような、コーラスにあわせて下駄の
タップダンス。
前進座の歴史を感じさせる、重い舞台を想像していただけに唖然。
それからは、井上ひさしさんらしい、「言葉あそび」の連打。
相当に、際どいせりふもあるのだけれど、言葉のリズムの中に
昇華されていく。
前進座の舞台は、あっという間に、昔懐かしい、芝居小屋に形を変えていく・・・
もう、おかしくて、おかしくて、切なくて、またおかしくて。
けれど、歌舞伎役者としての演技が、きりっと舞台を作りあげていく。
女形の河原崎国太郎さんは珍しく男役だが、その姿はため息を
つくほど美しい。
そして、1947年生まれの、松山政路さんのキレの良い演技には
同じ団塊の世代として、拍手!!
膨大なせりふ、(井上ひさしさんのせりふ回しは役者泣かせに違いない)
歌に踊りに三味線。
次々に二人に、悪女、悪人が絡んでくるが、そのどれも同じタイプの
悪女と悪人の繰り返し。なぜ同じパターン?
その答えは、舞台終わりの桃八の言葉にある。
九年後にようやく帰ってきた江戸は、既に東京。実家の姿もない。
嘆き悲しむ、清之助に、桃八のせりふ。
「これからどうやって生きていくって?鼻から息吸って出して、
今までとおんなじに生きていくだけ。世の中、どんなに変わっても
自分は何にも変わりゃあしませんよ。」
「第二の人生、自分を変えてなんていうけれど自分って変えられる
ものじゃない。世の中に合わせて生きていくより、今の自分らしく
生きていけばいいんだよ。」というメッセージにもとれた。
是非、機会があったら皆さんにも見ていただきたい。
ところで、嬉しかったのは舞台の後、国太郎さんはじめ、役者の方々が
元気埼玉のメンバーと一緒に食事をしてくださったこと。
さて、次の前進座の企画は、ずっと先、来年の5月。
今度は、役者さんの案内で舞台裏まで、見せていただけるという
お楽しみ企画。
次回は皆さんも是非ご一緒に!!